ちはやふる
-Competitive-Karuta Chihayafuru-
「マンガが欲しい」意外な理由
「小学校の授業でイラストを描くから、マンガが欲しい⁉」
娘の言葉に、一瞬「?」となったものの、本人は至って本気。娘から学校のプリントを渡されて内容を確認すると…、ウソのようなホントの話。自分が小学生の頃とは大違い。まさか、マンガが欲しい理由が授業とは⁉
でも、どうせ買うなら、ストーリーもちゃんとしているものがいい!
でも、最近のマンガ事情は全くわからないし、小学生向けってなると、親として何でもいいわけじゃない。何を選んだらいいのやら…。
せっかくなら「いいマンガ」を薦めたい
自分が子どもの頃は、何も考えずに週刊少年ジャンプに載っているマンガを楽しんでいたけど、小学生にとってマンガはとても影響力のある情報源。いざ、自分の子どもに薦めるとなるとなかなか難しい。
子どもが読むなら、出来ればこんな作品がいい!
✅ 何かに一生懸命取り組むストーリー(スポーツや芸術など)
✅ 絵がきれいで魅力的(イラストに使える)
✅ 読み終わった後に、心に残るメッセージがある(イイ感銘を受けるもの)
✅ 小学生でも理解しやすい内容(単純に面白いもの)
✅ 何かのきっかけになるリアリティがある(マンガで終わらず現実で使えるもの)
✅ 暴力やアダルト表現がない、安心して読める作品(悪影響を受けないもの)
あれこれ悩んで、下見もして最終的に選んだのは 「ちはやふる」!
小学生の子供に安心して親が勧めることのできる作品!と、いう事で30年ぶりにマンガを購入!
「ちはやふる」とは?
競技かるたに青春をかける高校生たちの物語で、数年前に大ヒットしたらしいけど…正直、全然知りませんでした。
でも、読んでみたら、「競技かるた」の世界は奥が深くてがめちゃくちゃ面白い!いわゆる子ども向けのカルタではなく、「小倉百人一首」を使ったスポーツ。
「競技かるた」とは?
ルール
- 一対一の対戦形式
- 100枚の札からランダムにそれぞれが25枚ずつを選び、自陣に並べる
- 読手が読む短歌(上の句)を聞いて、下の句の札を取る
- 相手より先に自陣の札が全て無くなったら勝ち!
- 相手陣の札を取った場合は、自分の陣の札を1枚相手に送れる
必要なのは「記憶力、瞬発力、体力、駆け引き、感じ⁉」
競技かるたでは、五七五の「上の句」を聴いて、素早く「下の句」を取る。そのためには、 100首すべてを暗記。しかも、100枚のうち50枚は場にない札(空札)で、お手つきをするとペナルティなので、読まれた札をすべて覚えておく必要があります。
さらに、上の句をどこまで聞けば札が特定できるか分かる「決まり字」があり、これを覚えることで最初の何文字かでいち早く札を取ることが可能。1つの試合で約1時間、多い時には1日に6試合もあり、休憩を入れると1日で9時間近く試合があることも。
1つの試合だけでも(空札含めて)100首覚えるのは大変なのに、2試合、3試合…、となると疲れもたまってくるし、前の試合の暗記が残ってしまうとか。想像以上に気力、体力も求められることなどから「畳の上の格闘技」とも言われています。
更にマンガの中では「音になる前の音」という形容で、次に来る音よって前の音が変わり聞き分けができるとか。これを「感じが良い」と表現して、練習を重ねていくうちに身に付けることができるそうです。
テクニック
①決まり字
ここまで聞けば、取るべき札がわかる文字を覚える。1字決まり、2字決まり、……とあり、決まり字が6字以上の札(おおやまふだ)もある。
②払い手
同じ陣に並んでいる他の札と一緒に払って競技線の外に出す取り方。
③囲い手
札に触れないように札を囲っておいて、読まれたら触るけどそれまでは相手に出札を取らせないようにする取り方。
④渡り手
分けて置いてあるのに両方の札(例えば左右)とも払う取り方。
⑤戻り手
敵陣を狙って手を前に出しておきながら、やっぱり自陣の音だと判断したら手を引く取り方。
テクニックも色々とあるけど、カルタは「自分が取る」「相手が取る」「自分がミスする」「相手がミスする」の4通り。
ココがいい!
✅ 礼儀を大切にする(礼に始まり、礼に終わる)
✅ 頭も体もフル活用!(暗記力+瞬発力+体力が必要)
✅ 駆け引きがアツい!(心理戦がある)
✅ 日本の文化に触れられる(正装は和服&袴!)
✅ 百人一首の意味を知ると、古典や歴史への興味が深まるかも?(温故知新)
「ちはやふる」を読んだら…
と、いう事で早速、全50巻を購入!(買う価値あり!)

初めてのマンガに子供は大興奮!ずっと読んでいるとさすがに目が悪くなるので、1日2冊までのルールに。
せっかく子どもが競技かるたに興味を持ったので、”決まり字を覚えて百人一首をやってみよう!”ということで、決まり字付きの子ども向けカルタ も購入!

100枚のかるた札をきまり字別に20枚ずつ5種類に色分けしてあり、取札の裏には上の句が書かれているので、「きまり字」が分かるようになっている競技かるたの入門セット。
せっかくなら歌の意味も…、という方には、とても分かりやすく解説してある公式和歌ガイドブック「ちはやと覚える百人一首」がおススメ。
「ちはやふる」をもっと知りたい方には、公式コミックガイドとファンブックもあります。


小倉百人一首
娘に無理だと思って「百首覚えたら、本物の【小倉百人一首】を買ってあげる!」と軽く約束したら…なんと、本当に覚えてしまった!こどものエネルギーって、凄い!と、いうことで約束通り、CD付きの「小倉百人一首 敷島」も買うことに…。

百人一首では、読手がとても重要。プロの方や学校では百人一首読み上げ専用機「ありあけ」というのがあり、こちらを使っているそうです。ちなみにお値段は…、約4万円‼高い!
「CDプレーヤーがないよ」と、いう方向けにスマホで読み上げるアプリ(有料)もあります。
もし、和室が無くても、フローリングに置くだけの「置き畳」があれば十分、雰囲気を楽しめます!

いざ、対戦!
当然ですが、全く覚えられない親 VS 完璧に暗記した子ども という悲しい結果に(笑)。
もはや、勝負にならず完敗…。
でも、おかげで今まで知らなかった「競技かるた」の世界を少し垣間見ることができたし、何より子供の世界観が大きく広がりました!
広瀬すずさん主演の実写版「ちはやふる」もあるので、まずは映画からでも。
子どもと一緒に「ちはやふる」おススメです!!